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西日本出身の女性は性被害の治療やケアについて「情報がない中、被害者は手探りで調べなければならない。途中で心が折れる人は多いと思う」と話した=2025年1月、塩入彩撮影
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 「自分自身が医療職でも、治療やケアの必要性に気づくのにこれだけ時間がかかった。治療を受けようと思っても、情報も対応できる機関も少ない」。西日本出身の女性(36)は、そう振り返る。

 小学2年の下校中、見知らぬ男子中学生に倉庫裏に連れて行かれ、性暴力を受けた。両親は警察に相談したが、事件化は望まなかった。その後、登校途中に再び同じ加害者に襲われたが、誰にも打ち明けることはなかった。

 しかし、10代後半から20代の頃、意に反した性的な行為を受けることが続いた。無意識に相手に迎合しやすく、自分を責めてしまう。当時はそれがトラウマの影響とは思わず、「自分はおかしいのでは」と悩んだ。

【連載】子どもへの性暴力

性暴力は、被害者の心身に深い傷を刻み込みます。朝日新聞は昨年9月に「子どもへの性暴力」第10部で、治療・ケアについて取り上げました。寄せられた声から、子どもの頃に被害を受けた人たちの体験を紹介し、そこに横たわる問題について考えます。

治療が必要、認識持てず

 女性の人権ホットラインや弁…

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